そうは思えなかった。 だが、何しろ今の倫子はほとんど口を利いてくれないし、 逆に父親には毎晩泣きつかれる始末で、 修自身も、ほとほと疲れ果てていた。 一度抉れたものが、元に戻るのはなんて難しいんだろう。 厄介で面倒で、どうして当事者はお互いに、 傷付かなければならないんだろう。 修は解決口として、何日も前から信也にメールをしていた。 把握している限りの事情を全て話したのだ。