「……もしよければ、私が伺います……」 信也は何となく、音読していた。 何でも、倫子はずっと誤魔化していた部活への参加が、半ば強制的に決まってしまい、 今よりもっと帰りが遅くなるのだという。 しかし、それならそれで自分が行こう、とも思ったのだが、後半の文章に、 『住所を教えて頂きたいのですが』 という部分を見付けてしまい、気が付いたら、 ぼーっとしながら返信画面を作成していた。