だから、信也の腕にナイフが掠った時、男の方が驚いていた。 信也の右腕が、じりっと痛んだ。 (……畜生、油断したか) 袖が、みるみる赤く滲んできた。 しかしその時、男の後ろにいた倫子が、 ジュースか何かの空き瓶を振りかぶっているのが見えた。