『メリーさんってさー、面白いよね』


「え、面白い、ですか?」


ふと言われた言葉に戸惑う。

あなたの方がよっぽど面白いと思うのに。


『だってさー、大抵の都市伝説ってなんかしら対処方法あるじゃん?

口裂け女だったらポマードだったり、 ムラサキカガミだったらなんか対応する言葉覚えておけばよかったり。

でもメリーさんってそういう、弱点みたいなのないじゃん』

言われてみればそうかも知れない。

私はただ電話をかけて、自分の居場所を伝えて、切られるたびに近付いて、また電話をかけて。

そして。



『なんかさー、そういうのすごいなぁって』


「そういうものでしょうか」


『えー、すごくない?』