――放課後。 教室に残ったのは、あたしと杏里の2人だけになった。 オレンジ色の空が、窓から見える。 「…あのね、杏里。」 「…うん?」 俯いているあたしに、優しい声が降ってくる。 あたしは、ゆっくりと、杏里に視線を合わせた。 「実は昨日…宮地葵と話したの。」 「うそッ!!」 杏里はビックリした顔をして、あたしを見つめる。