パッと顔を上げて、前を見つめる。 ―――!!! そこには、ガラの悪い男5人。 足が勝手に止まってしまう。心臓が、ドクンと大きく波打つ。 ……逃げなきゃ危ない。 あたしの脳が、そう判断している。 「…あれ?女の子?」 中央にいる男が、あたしを見つけて呟いた。 そして、あたしに近付いて来る。 中央の男が顔を近付けて、距離が縮まった。 肩をビクッと揺らして、あたしは俯いた。 「おっ、かわいーじゃん。こんな所で、1人で何してんの?」 ……怖い。怖い。怖い。