「いや、いいよ。自分で買ってくる」


鶴くんは、真っ赤な顔をしたままアイスのお店に走っていった。


それ見て月ちゃん、『あははっ』て笑ってる。


「からかわないであげてよ。かわいそうだよ……」


「イヤイヤ。あ~いう反応好き。鶴ってかわいい! ウブだよねぇ」


鶴くんのうしろ姿を見て、ほくそ笑む月ちゃん。


「鶴くん、目立ってはモテないけど、意外と人気あるんじゃない?

うちのクラスでも、女子が男子になにか相談するときは、迷わず鶴くん呼ぶよ?」


「へぇー。そーなんだ? ま、害はないよね」


害ないどころか、癒し効果抜群なんだから。