「当麻くん?」


そっと布団を剥ぐと、潤んだ瞳をキラキラさせてる。


「……さやは、いっつも温け~よな。ヤバ、泣きそう」


「うん……泣いていいよ」


私が布団の上からそっと被さると、当麻くんに


「泣くかよっ」


って、強がりなのかそう突っぱねられてしまう。


「今日……すごく怖かった。けど、当麻くんが来てくれて良かった」


「あぁ、オレも……さやの連絡聞いて、血の気引いたぜ。

ケータイに連絡かけてもつながらねぇし」


あっ! 大切なコト思い出した。


「そうなの、ケータイ。サングラス男に、喫茶店の横の溝に落とされたんだ」


「マジかよ。だからつながんなかったんだな」


「ケータイ、買いに行かなくちゃ。当麻くんの風邪がなおったら、一緒に買いに行こうね」


「おう。……あのな」


当麻くんはなんだかいにくそうにしてる。


「どうしたの?」