「気にすんな? オレがケータイ鳴ってんのに気付かなかったのが悪いんだし?

てめーは、自分のオンナの心配だけしてろ。意外とカッコ良かったぜ、コレ」


そう言って、当麻くんは竹刀を振りおろすマネをした。


えっ? 一瞬、自分の耳を疑った。


「当麻くん。今……なんて言ったの?」


「んあ? 『カッコよかった』? いや、オレのが断然イケてるけどなっ」


そう言って笑うんだけど、そこじゃなーい!


「違うっ、その前!!」


「あぁ……『オンナ』? いや、オレの口からは……言えねぇ」


当麻くんは鶴くんを見て口の端を上げ、ニヤッと笑う。


「えーっと……それは」


鶴くんもなんだか真っ赤になって焦ってる。


「鶴、ブレスレット返しとくな。オンナとお揃いでつけなさい?

ホントはそのつもりで誕生日に、自分と彼女の分買って持ってたんだってなぁ。

イラついた勢いで、そのウチのひとつをオレに渡すとは……」


ってコトは、鶴くんの彼女は誕生会にも来てたって……コト?