あぁ……最悪。


思わず叫んだ鶴くんの声に気付いた男たちが、一斉にコッチを振りむいた。


「クソっ、逃してんじゃねーよ。オイ、誰かつかまえろ!」


ヒャア!


慌てて3人で2階にあがろうとするも、一番下にいた鶴くんが、そこにいた男のひとりに捕獲されてしまった。


そして、次々に私と香純さんも他の男に取り押さえられてしまう。


ゴメン……当麻くん。


当麻くんは黙ったまま、ジッとコチラを伺っている。


あれ、なんか当麻くんの様子がヘン?


目が虚ろな感じで、顔も赤いような。


「……ゲホッ。お前ら……こんな卑怯なマネすんなよ。ガチでヤるっつーから来たんだろーが」


当麻くんは、身体を少し屈め、苦しそうに咳きこむ。


もしかして、風邪ひいてるの?