恋するキャンディ2私だけの甘々不良彼氏

えっ。『あーん』ってなに?


一瞬、我に返る。


「ホラ、口開けろって。さやの好きなキャンディ、やるから」


そう言って当麻くんは、私の口の中にキャンディを放りこんだ。


「……なにコレ、変わった味」


口の中に広がるのは、不思議な甘さ。


「もらった。ポケットん中に入ったままだった」


「ふーん。……だいぶ前のじゃナイよね?」


「たりめ~だろ。なんなら、オレも味見しよっか?」


当麻くんニヤリとして、また顔を近付けようとしてくる。


「……きゃっ」


私が当麻くんを避けようとしていたら。


「当麻ぁ? オレのいる前で堂々とキスすんなつってんだろーが」


お兄ちゃんが当麻くんをうしろから羽交い締めにして、頭に、軽く拳を突きたてていた。


「えっ、イナイ所でならいーんっスか?」


「……まぁな。

ホレ、サッサと帰りやがれ」


……毎度思うけど、その線引きがイマイチよくわからないよ。


けど、お兄ちゃん。


当麻くんとのコト、多目に見てくれて……ありがとね。