それからしばらくして、当麻くんと一緒に1階におりた。


お客さんはもうみんな帰っていて、カウンターではデレッとしたお兄ちゃんと、


優しい微笑みをこぼす香純さんが仲良さそうに会話していた。


お兄ちゃん……もしかして。


チラッと当麻くんを見ると、ニヤニヤしてる。


「流星さんをオトすには、香純さんを使うしかなさそーだな」


だって。


そっか……。お兄ちゃん、香純さんを気に入ってるんだね。


当麻くんはお兄ちゃんの首に腕を引っかけ、顔を耳に近付ける。


「流星さん、ちょいとお話が」


「おまっ……なんだよ、当麻いつの間におりてきた?

……んっ、なんかさやの匂いがするな」


私の匂いなんて知らないくせに。


冗談か本気なのか、お兄ちゃんは当麻くんの身体をクンクンかいでる。