当麻くんのお母さんに会ったコトはないけど、


『趣味や海外旅行ばかりしている自由なひと』とは聞いたコトがある。


「だからね、ココは当麻の想い出がたくさん詰まった場所なのよ……」


ここ最近、当麻くんが浮かない顔をしてたのは、


このお店がなくなってしまうからだったのかもしれないね。


そして、色んな物をひとりで背負おうとしてる。


当麻くんの力になりたいよ。


私にもなにかできるコトはないのかな……。


「飲み物、冷めちゃったね。新しいのいれよっか?」


香純さんは、さっきいれてくれたミルクティを指差す。


「いえ、これで十分です。あの……ひとつ、聞いていいですか?」


「なぁに?」