「一緒に住むのに負担になるからって、お爺ちゃんがお金を作ろうとしてて。

私、他に仕事もしてるし、お爺ちゃんひとりぐらい養えるのに、ガンコだからきかなくって……」


「じゃあ、古いから閉めるわけじゃなくて……」


当麻くんはそう言ってたよね。あとはお爺さんが年だから、とも。


「そうなの。まぁ、ただ……身体のコトが気になるから、ココにひとりで住まわせるのは心配でね」


「香純さん……。けどそれが、当麻くんの自立とどういう関係が?」


「いつかこの土地を、自分の手で買い戻したいって言ってるの」


えぇっ!


当麻くんが、そんなコトを?


……スゴいよ、そんなコト考えてたんだ?


けど、土地って、そんなに簡単に買えるものなのかな?