「……早く自立したがってるのには、ちょっとワケがあるのよね」


「ワケ……?」


「私のせいかも知れない……」


香純さんは、私に温かいミルクティを差しだし、


そのままカウンターに頬杖をつき、軽くため息をついた。


「香純さんのせいって……」


「私がお爺ちゃんと一緒に住むコトになったから」


「えぇっ、けどそれはいいコトですよね?」


「うーん、そうでもないの。このお店を閉める話、当麻から聞いた?」


そう言えば当麻くん、半年後って言ってた。


「はい……」


「この辺で地域開発が行われる予定で、今なら土地が高くうれるの。

それで、お爺ちゃんがこの土地を売るって言いだして」


「えぇっ!」


お店を閉めるだけじゃなく、土地さえも売ってしまうってコト?