「忙しい……かもね。さやちゃんにはなにも言ってないの?」


香純さんは、私に飲み物を差し出してくれながら、フフッと笑った。


「はい、なにも。なんか、電話もすぐ切られちゃうし……」


「そんなに落ち込まなくても大丈夫よ? 遊び呆けてるワケじゃないから」


「そうですか……」


どうして香純さんは知ってて、私は聞かされてないんだろ。


「当麻ってね、不器用でしょ。こう! って思ったら、とりあえずやらなくちゃ気がすまないのよね」


「はぁ……」


……なにが言いたいの?


「当麻、早く自立したいんですって。その為に、さっきの片田さんの会社で、仕事を手伝ってるのよ?」


えぇっ、当麻くんが?