「さやちゃん……。結構音大きいね、あのバイク。いつも後ろに乗ってるんだ?」


鶴くんも苦笑い。


「うん。だんだん慣れてくるよ……。それに、あれでもマシになった方なんだよ?」


当麻くん、私たちがヘンな男につけられてるって聞いて、すごく怒ってここに来てると思うんだ。


だから余計、バイクふかしてるのかも。


バイクのライトが、正面から私たちを照らす。


こっちからはバイクに乗ってる人の顔が見えないんだけど、突然停まったから


あれは当麻くんなんだと思う。


「音が大きいから、前に当麻くんに注意したんだよね。

そしたら、マフラーをヤンキー仕様から普通のに交換してくれたの」


「……へぇ」


鶴くんは微妙な返事をして、こっちに向かって来ている当麻くんであろう人の姿を捉えた。