「大変なのっ! 今、さやと私……ヘンなヤツらにつけられてて」


えぇっ!?


鶴くんも私もビックリな、迫真の演技。とてもウソだとは思えないよ。


「お願いっ、早く来て! 今、潮風公園の近くにいるから。うん、そう。うん、わかった」


ヤバ~。なんかスッゴくとんでもないコトになりそうな予感がする。


月ちゃんは電話を終えると、満面の笑みで私にケータイを返してきた。


「ちょっと月ちゃん、当麻くんになんであんなコト言うの? ホントに来ちゃうよ……」


「来て欲しいんだもん! これでバッチリ~。あとは私に任せなさい」


月ちゃんニヤニヤして、私の肩をバシバシ叩く。


「ウソってバレたら、タダじゃすまないんじゃない?」


不安そうに呟く鶴くんに、月ちゃんは自信満々に答えてる。


「大丈夫、大丈夫~! 私がうまくやるから」