売り場にいる鶴くんをチラリと見ると、私たちからかなり離れた場所で小物を見ていた。


だから、私たちの会話は聞かれてないと思う。


「うん……。だから、鶴が私好みになってくれたらいいなーなんて思っちゃった。

けど、あんなに拒否されると思わなかった」


月ちゃん、しょんぼりしてクマを見つめている。


うそー。月ちゃん、鶴くんにキュンってなった!?


「鶴くん、ハズかしかったんじゃない? 月ちゃんにいきなり前髪触られて」


「そーかもね。免疫なさそーだもんねぇ。あ~あ、私っていっつもオトコ運ないなぁ」


そう言って、月ちゃんはクマの鼻を軽く指で弾いた。


「それ、買って行ったら?」


「えっ? なっ……なんで!?」


月ちゃん、妙に焦ってる。……かわいいっ!