「お菓子とか。簡単なものでも、何かしたいなーって思うんだけど」


「お菓子? 子供じゃないんだから。ま、『ボク』にはちょーどいいかもねぇ」


なんて言いながら、月ちゃんは近くにあった、小さなクマの人形を手に取る。


「これ、鶴に似てない?」


「へっ? あぁ、言われて見れば……」


大きくクリクリ丸い瞳と、素直そうな表情が、鶴くんっぽいかも。


月ちゃんはクマを見つめながら、大きくため息をついた。


「あ~あ。私、こないだの鶴の格好、ホントにいいなって思ったんだよね。

タカから守ってくれて、すごく頼もしく思えたんだぁ。……あの鶴に、私がキュンとなったんだもん」


「えぇっ!! 月ちゃん、それホント!?」