「いや、別に……いつも通りでいーし」


鶴くん、いつもなら月ちゃんにされるがままか、ニコニコ笑顔で断りそうなもんなのに、


今日は微妙に顔をしかませていた。


あらら。ホントに嫌だったのかも……。


その態度に月ちゃんも、苦笑いしてる。


「鶴って童顔なのに前髪おろしてるから、ボクって感じなんだよ。

こないだみたく、スッキリあげたらいいのに。カッコ良かったよ?」


月ちゃん、『ボク』って……。思わず私も苦笑い。


けど確かにそうかな。鶴くんかわいい系の顔だから、おでこ見えてたときの方が、男らしかったな。意外とイケてたよね。


鶴くんは、月ちゃんに触られた前髪を、自分の手でなおしていた。


「そんなさ……。月ちゃんだって、今の髪型が気に入ってるのにショートが似合うって言われたら切る? 切らないよね」


うわ、鶴くん月ちゃんに反抗してる。


よっぽどイヤだったんだ?