私がそう言うと、当麻くんは「まさか」って言って笑った。


あれっ、そうなんだ?


てっきりお父さんの経営するグループ会社で働くんだとばかり思ってた。


「そっちのがよかったか?」


「ううん。……えっと、どんな仕事したいの?

あ、まだそこまで決めてないよね。そっかぁ~。じゃあそのうち、就職活動しなきゃね!」


当麻くん最近勉強頑張ってるし、私も自分が大学受験を考えてたから、


てっきり当麻くんも進学するって……勝手に思いこんでた。


そっか。就職するんだ。


「どんな仕事かは、叶うかどーかわかんねぇからまだ言いたくない。

水面下でボチボチやってるぜ。とりあえず、早く自分の手で金稼ぎてーな」


いつもお財布にお金たくさん入れてる当麻くんの言葉とは思えない。


私がキョトンとしてたもんだから、当麻くんも少し驚いてる。


「……なんだ? その顔」


「意外だなーって思って。お金稼ぎたいって……」