「なっ、当麻……最近悩んでねーか?」


「やっぱり……お兄ちゃんもそう思う? ちょっと様子がヘンだよね」


なんだ~。お兄ちゃんも、当麻くんの変化に気付いてたんだ?


私の思い過ごしじゃなかったみたい。


「そーなんだよな。さっきくれたコレ、3つもくれたんだぜ? 今までやらねーって言い続けてたのにな……」


お兄ちゃんはそう言って、喫茶店で当麻くんにもらったミニカーをポケットから取り出す。


……なんだ。そんなコト?


ちょっと呆れた。


「たまたまじゃない……? 私が心配してるのはそんなコトじゃなくて」


「イヤイヤ。だってさ、これ……当麻のじーさんの宝物だ、つってたしさ。

当麻の気まぐれでくれたとしたら、あとで怒られねーかと思ってな。

それとなく今日文句言われなかったか聞いといてくれよな。必要だったら返すから」


お兄ちゃんはそう言うと、ニッと笑って私の部屋を出て行った。


今日の帰り、お爺さんなにも言ってなかったし……怒られてはないと思うけど。


明日聞いてみようかな。