「ふふっ、当麻の彼女なんだってね。……キレイな子でびっくりしちゃった」


キレイなひとに、キレイって言われるとお世辞だとしても、すごく嬉しい。


首を振りながらも、彼女は誰なんだろうっていう疑問は拭えない。


当麻くんのお母さんじゃないよね。


だってこのひと、どう見ても20代。


「あ、いきなりで驚いたよね。私、当麻のイトコ。香純(かすみ)よ、よろしくね」


「初めまして、皆川さやです」


当麻くんのイトコ……。どうりで、美人なわけだ。


あの生まれ持ったキレイな顔は、家系なんだね。……うらやましいな。


じっと彼女を見ていると、またクスっと笑われた。


あれ、なんでそんなに笑われるんだろ。


「その顔じゃ、当麻から私のコト……聞いてないよね」


「はい。ちょっと……驚いてます。このお店で当麻くんの親族の方に会うのって初めてなんで」


「だよねぇ。みんなココに寄り付かないもんねぇ」