――カタン。


テーブルの上になにか固いモノを置く音がした。


そして、温かいブランケットを誰かがかけてくれる。


……当麻くん?


眠い目をこすり、そっと開けると、そこにいたのは、当麻くんじゃなかったんだ。


「あら、起こしちゃった? ごめんなさいね」


え……。


誰? このひと。


目の前にいたのは、茶色い髪を斜め横で束ねた、優しい笑みを浮かべた女性。


目鼻立ちがハッキリしていて、一度見たら忘れられないような、インパクトのある美人。


だから会ったコトないって言いきれるけど、どうして見ず知らずのひとが、2階にいるの?


驚いた顔をした私を見て、彼女は更に表情を崩した。