「えっ?」


「あいつ結構いいヤツだしさ。うかうかしてたらって、たまに心配になる。

……負けてらんねーだろ」


当麻くんは笑みを作り、私の肩に軽く触れると、


お水が入ったコップをトレーに乗せ、お爺さんの友達が座っている、お店の奥へと歩いて行った。


当麻くんのうしろ姿を見ながら、


私の胸は、ドキドキしっぱなしだった。


だって……


私にとって、当麻くんが鶴くんに負けてる所なんてひとつもないのに。


どうして当麻くんは


いつも一番になりたがるのかな……。



しかも、当麻くんのヤキモチやきは


これからも、なかなか治りそうにないね。


そう思いながら、私は2階への階段を駆け上がった。