「…い、痛いっ!

姉ちゃん、痛いって!
もっと優しく…」


「黙れ、このヘタレがっ!」


社長のマンションで、チカの姉ちゃんが怪我の手当てをしてくれた。


できればあのままコンクリートと同化してしまいたかったのに………。


「チカがくるから話はそれからよ。

一志、家帰るわよ」


そうテキパキ決めだすと、

「オラッ、さっさと立て!寝るなっ!!」


とコンクリートとキスする俺を蹴った。


チカの姉ちゃんは昔からこうだ。


チカより怖ぇ。
(いや、チカも十分怖いけど…)


この姉にしてこの妹チカありって感じ。


2人が血の繋がった姉妹だと言われて疑う奴はいないだろう。