僕の上司は彼女です。


「め、滅相もございませんっ!

今の私がありますのは、すべて常磐専務のお力添えあってのこと…!」


池内部長は怯えながら顔も上げずに謝っている。


「遠野くん。
話を詳しくきこうじゃないか。

きみにはいくらか借りがあるからな…私で役に立つなら力になろう」


溜め息交じりに紡ぎ出された常磐専務のその言葉に


「恐れ入ります…。

チカ!池内部長様にアレを…」


チカは鞄から茶封筒を出し池内部長に近付くと


「池内様……この度は我社の非礼の数々、誠に申し訳ございません。

こちらは新しい見積書となっております。どうぞお収め下さいませ。

これからも変わらぬご愛顧を何卒…よろしくお願い致します」


そうつけ足し、茶封筒をそっ…と渡した。