僕の上司は彼女です。


「ご理解いただけませんか、池内部長。

我社のミスを心からお詫び致しますと共に、少し…勉強さしてもらった新しい見積書で考え直していただけませんかねぇ…?」


下手に低く、社長がお願いしたにも拘らず…池内部長は笑止千万!と言わんばかりに笑ってのけた。


「…そうですか…。
こちらとしても残念です…」


そう言った社長の声と、悪魔の笑みに俺の背中には冷たい物が走った。


その直後だった。


またも襖がスラッ…と開いて


「いやぁ~…遅れてすまないすまない。

道が混んでいてなかなか進まないんだよ…」


ついさっき聞いたセリフを言いながら入ってきた男性。


ロマンスグレーとでもいうんだろうか?

白髪交じりの、だけどどこかお洒落さを感じる少し年配の男性。