ポチは
「ジャーン!!」
ってガスコンロの上に乗っている鍋の蓋を開けた。
「………なに?」
中を覗くとグツグツと煮えたシチューが入っていた。
「…………作ったの?」
「そうだよ!!
はい、座ってて!!」
ソファーにストンッと座らせられてポチがテーブルにシチューとフランスパンを置いた。
「まるで自分家の様な振る舞いだね…?」
「ダメだった?」
って眉を下げて大きな瞳を潤ませている。
「どっちが本当なの?」
「…んっ?どっちって??」
「私の手首を掴んで壁に押し付けて耳にキスしたのが本当の姿?
それとも女の子みたいな今のポチが本当の姿?」

