「!?…っ離せ!!!」
「うぉわ!?」
その言葉に本能的に危機感を感じ掴んだ手を離して後ろへと飛ぶのだが、それより早く「ピュッ…」という肉を裂く音と共にカミヤの手の甲からは血が滴り落ちる。
「特待生にしては…間抜けなんだな、不用意に他人に近づくなんて。」
「…ハァ?」
“理解できない”カミヤにとって今まさにそんな状態なのだが少なくとも自分に敵意を向けられている事は解る。
そして自分の意思に関係なく自身を切り裂いた獲物を構えているあたり、今から自分がしようとしている事を辞める気は無いようだ。
「………。」
「………。」
黒い羽を羽ばたかせ、武器である短刀を構える男の眼は綺麗な金色なのだが淀んでいて光が無い。
言葉ではどうにも止まらないという事を悟ると、腹を括ったようにカミヤは相手を見据え拳を構えた。

