Ⅹ-story-クロスストーリー

力を使い果たしてしまったのか、何かがはじけるように目を見開くとその場に崩れ落ちる。
-数秒後、最初に沈黙を破ったのはレビィだった。
その場に座り込んでいたラックの襟元を掴むと力任せに殴りつける。

「ぐ、あ!?」

決して力強いとはいえない細腕だが、それでも全力を込めたのだろう。
ラックは多少身体をのけぞらせる。

「…どういう……つもりだ…。」

薄暗い部屋の中、レビィの眼は敵意に満ちていた。
それは自分にとっての大切な人を『攻撃』する者を連れて来たから…
ラック自身もその事を自覚しているのだろう。
反撃する訳もなく、抵抗しようともせずただ俯いている。
蛍はどうしてよいのか解らずオロオロしていた、だが三人の行動は一人の男のとった行動によって突然停止する。

「よっと…。」

「か…カミヤ…何して…?」

男のとった行動、それは眠りについている少女を抱き上げ、顔を拭いてやる事。
ただ何も無い親子や兄弟なら、それは微笑ましい光景なのだろう。
だが今の今攻撃された得体のしれない少女に対してカミヤが行ったこの行動は『異常』といえるものだった。

「…寝顔は普通の子供だな。」

クスクス笑うカミヤは子供に対して、敵意や悪意など皆無なのだろう。
子供はあの一瞬で泣いていたのだろうか、口周りを自分の服で丁寧に拭き終えると指で目じりを擦ってやった。