「もうラックに聞いたことが幾つかあるかもしれねえが…この学園の基本は“実力至上主義”だ。」
あぐらをかいて、髭をなぞりながらフライヤは静かに語り始める。
入学してから生徒の流れ、各派閥への分類、それに伴う差別や格差、そして…従者や奴隷の存在。
ここまでは入学する前にラックが説明してくれたものと殆ど変らなかったが、教員であるフライヤの口から聞くとそれはまた別の事の様に重く、深刻な問題に聞こえてくる。
「…そういやレビィ、お前自分の派閥どうした?」
ふと気付いたようにフライヤはレビィに目を向ける。
そういえば、とカミヤもレビィの取り巻きには何人か面識があるが今日は一人も見ていない。
それどころか一緒に行動していてレビィにすり寄ってくる人が皆無だったのだ。
「あぁあれ…ボクが先生に捕まって牢屋に入っていた間に皆居なくなっちゃった…。」
体育座りのまま、それだけ言うとレビィは少しだけ寂しそうに顔を伏せる。
魔法使いが被るような、真黒なトンガリ帽子にユナが乗って頭を叩く、どうしたの?そう尋ねるように首をかしげるがレビィはそれに応えない。
(結局…あの中にボクの友達はいなかったんだね……。)
カミヤと出会う前から、薄々は自分も解っていた。
自分の弱い部分は一切見せず、力で取り仕切っていた者達が自分に懐くはずがない。
“友達”という対等な立場になどなれるはずないのである。
ポスンとカミヤの背に寄り掛かる。
カミヤがその意味に気付く事は無かったのだが、何も言わず、嫌がる事も無く黙って受け止めてくれたその事実だけでレビィには十分すぎるほど安心できた。
「…まぁいい、次に従者についてなんだが…その前にカミヤ、お前とレビィの関係はなんだ?」

