「聖羅、今日は早く帰ってきなさいよ」
お母さんがあたしに言う。
「わかった」
あたしはそういってスポーツバックを持って、家を出た。

お母さんが早く帰ってこいなんて珍しかった。
あたしは久々に部活を休み、家に帰った。


「ただいま」
あたしは玄関のドアをあけた。

あれ?
お父さんの靴がある。
お父さん帰って来てるんだ…

「あら、早かったのね…」
お母さんはなんか元気がなかった。
「話って何?」
「まずは家に入りなさい」
そういってお母さんは茶の間のソファーに座った。
あたしはカバンを起き、ソファーに座った。
少し黙っているとジャーっと音と共にお父さんがトイレから出てきた。
「あなた、そろそろ」
お母さんが言うと、のんきなお父さんが
「あー、そーだな」
お父さんもソファーに座る。

この時あたしは想いもしらなかった事を口に去れた。

「実はな、お父さんの第出世が決まったんだよ」
「おめでとう」
「それでな…今週の日曜日に福岡に行くことになった」
「え…」
「お母さんもいくの。もちろん聖羅も」
「何で?嫌だよ…嫌…?」
あたしは声がいきなり出なくなった。
嫌?
嫌なの…
嫌…
全然…嫌じゃない…
「もうあたしは今の学校にはいけないんだね?」
「すまん。」
「いいよ別に…」
そういってあたしは部屋にいった。

あたしは全然よかった。
悠司の事で少し考えたかったから…

あたしは悠司から逃げたんだ。
嫌…現実から逃げたんだ。
1からやり直したい。
そんなことしかおもわなかった。
あたしは誰にも言わずに行くことを決意した。