「ごめん紗乃、放課後先生に呼ばれちゃってさ…すぐ終わるから待っててくんね?」

眉に下げる会長もなんだか子犬みたいだ。
「生徒会長様は大変だね〜」なんて紗乃ちゃんがからかうからまた会長の眉が下がってしまった。

子犬同士のじゃれあいを見てる気分になる。
しばらくして会長は自分の教室へ帰って行った。


「ラブラブだね〜」

紗乃ちゃんと会長は付き合ってちょうど1年くらいになる。


「小春は好きな人いないの?」

「いっ、いないよ!」

ドキッとした。

いない…か。


私はずっとそう言って逃げてきた。

自分の気持ちから。


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