なんて事を、駅前に植えてある桜を見ながら思っていた。

 
 もう四月も半ばだから所々しか桜は咲いていなかったが。


「花びら舞ってる! あー、樹の頭に乗っかった」


 ナナが楽しそうにはしゃいでるとこ……すっげー可愛い。


「……取れよ」


「何その言い方!!」


 ――じゃあいいよ、自分で取るから。

 って思って自分の頭をぐしゃぐしゃ~ってやってると、遼太のデカい手が俺の頭にのっかってきた。