「私を助ける……ねぇ。
だけど金に困ってるって
割には屋敷が綺麗なまま
だったし、何よりあの人
達の方から私の存在を否
定してきたんだよ?それ
を一体どうやって説明し
てくれるってんだい?」
しかしながら寸分も経た
ぬうちに、少女は幼い頃
自身が受けた傷を刃に変
えて、先の甘すぎる憶測
をせせら笑いと共にこと
ごとく斬りつけた。
すると青年は、待ってま
したと言わんばかりに顔
を上げつつもどこか重々
しく口を開いていった。
「その状況すら、仕組ま
れたものだとしたら?」
冗談で済ますにはあまり
にも聞き捨てならない台
詞を耳に入れるや否や、
少女はたちまち眼光を鋭
くし、ほんの一瞬だけ眉
をピクリと震わせた。
未だ初々しさが残るとは
いえ流石は警察官。目敏
く少女の“異変”に気が
付くと、青年は更なる論
理の畳みかけを行った。
「GUILTYが屋敷を襲い、
ウィルヘルム家が没落し
ご両親が狂気に惑い……
そして、貴女が殺人に手
を染めるに至った全ての
過程が端から計画通りだ
ったとしたら?」
「ふぅん、随分面白そう
な事を言ってくれるじゃ
ないか。だったら今すぐ
話してみなよ、その過程
……いや仮定とやらを」
ところが一方の少女も負
けじと、わざわざ語尾を
言い直すくらいに挑発し
てまで次の展開を探るべ
く徐に頬に手をついた。



