『レイルさんがくれた一ヶ月を、大切にします!だって一ヶ月もあるから!』


僕が笑うと、レイルさんも優しく笑ってくれた。


『君ならそう言ってくれると思ったよ、時間は大切な人と楽しく過ごすと一生の宝物になる…君の一ヶ月もそんな時間になるように祈ってるよ』


『ありがとう!』


『何かあれば空に向かって話しかけてくれれば、聞こえてますから』


『分かりました!』



僕の返事を聞いたレイルさんはまたステッキをくるりと回して背中を向けた。


『それでは、よい日々が過ごせますように』


『はい…ってもういないや』


消えてしまったレイルさん。
すごく不思議な人だけど、すごく優しい人だって思った。