「変なところないよね。」 もう一度、手鏡を見てチェックする。 よし、今日こそ絶対言うぞ!! 「ごめん、陽菜待った?」 「あっ、駿介、ううん、全然待ってないよ。」 「行こ。」 そして手が差し出された。 「うん。」 あたしも手を出して、駿介の手を優しく握る。 ――ドキン...ドキン... ダメだ、やっぱりあたし、駿介に別れを告げることなんて出来ないよ。