目が覚めたとき、僕はまだ病院にいた。カーテンで区切られたベッド。カーテンの向こうから母さんと医者の声が聞こえた。

「息子さん……長くありません」

「え?」

「脳の出血が激しすぎます。もって、あと1週間…」

「先生!」

「機械と薬をかえれば延命できますが、その延命も数週間しか…」

「痛いのですか?」

「今は強力な鎮痛剤が効いていますが、薬をかえると、鎮痛剤が効かなくなります」

「じゃあ……いいです。この子が苦しむ所なんてみたくありません」

「では……」

医者が部屋から出ていったみたいだ。部屋には母さんの嗚咽だけが響いていた……。