「芦屋先生はもう仕事終わったの?」
「うん。これから帰ろうと思って」
「そうですか……」
ほんの少しだけど、きっかけはおかしいけれど、それでも先生と話すことができた。
授業じゃない時間に先生と2人で話せた。
些細なことかもしれないけれど、これは私にとっては大きな出来事なのだ。
そして話していると実感する。
私はやっぱり、この人のことが好きなんだと。
胸のドキドキが先生に聞こえていませんように。
ちゃんと普通に話せているかな。
好きだって分からないように話せているかな。
たくさんの想いが頭を駆け巡る。



