どのくらいの時間そうしていたか分からないけれど、誰かに肩を叩かれた。
でも眠くて、足も筋肉痛だし、まぶたがなかなか開かない。
起きなきゃ、起きなきゃ、と頭で思っているうちに声をかけられた。
「吉澤さん。風邪引くよ」
聞いたことのある低くて落ち着いた声。
その声を聞いて私の頭が即座に覚醒した。
バッと勢いよく起きると、目の前に芦屋先生がいた。
「わっ!先生!」
あまりにも勢いよく飛び起きたせいで、先生までびっくりしたように目を丸くしていた。
「驚かせないでよ」
「わぁ~、すみません……」
なんという間抜けなところを見られてしまったのか。
私は恥ずかしすぎて芦屋先生の顔を直視できなかった。



