「あんたみたいなちんちくりん、相手にする先生なんているの?大丈夫?騙されてない?」


娘のことをちんちくりんと言って笑っているお母さんに、呆れて言い返すことも出来なかった。


「こういう時くらい応援してよ」


と言ったら、お母さんではなく、ずっと黙っていたお父さんが静かな声で


「まぁ、あまり遅くならないようにね」


と、やたらきごちない話し方で言ってくれた。


うん、と返事をして窓の外に視線を移す。


もう見慣れた住宅地まで来ていて、家まであと少しだった。