夏はみんなで夏祭りに浴衣で出かけて、去年、芦屋先生にもらったとんぼ玉のかんざしを結い上げた髪の毛につけた。


本当は先生と行こうと話していたけれど、それは実現出来なかったから。


どこにも出番も無いのも悲しかったので、少し躊躇ったものの身につけた。


秋にはみんなでケーキの食べ放題へ行って、私と菊ちゃんの大食いを発揮した。


全種類をあっさり制覇した私たちを、澪と若菜が恐ろしいものでも見るような顔で見ていたのを忘れはしない。


冬は彼氏のいる澪たちは抜きで、私の家に若菜が泊まりに来てクリスマスを過ごした。


私はベッドに横になり、若菜が隣に敷いた布団に寝転がる。


電気も消して、寝ようという時に若菜から聞いたこと。


それは、私が選手として出場した最後の大会の時の話だった。