「時々はつらくなったり、落ち込むこともあるかもしれないけど……その時は2人に支えてもらおうかな」


私が笑っているので、若菜だけじゃなく澪まで泣きそうな顔になっていた。


「支える支える!どこまでも支える!」
「私も!支えるから頼って!」


と、2人は小学生のように私に向かってハイハイと挙手するのだった。


ほらね、と思う。


私にはこんなに素敵な友達だっているんだから。


恋しなくたってじゅうぶんに楽しくて充実した高校生活を送れるんだ。


春に芦屋先生に別れを告げられた時、どうしてあんなに泣いたのか、どうして後悔しか残っていなかったのか、その答えは明白だった。


自分の気持ちを、ちゃんと伝えられなかったからだった。


昨日の私はすべて伝えられたと思う。


だから、こんなにも晴れ晴れとした気持ちでいられるんだと分かった。