2週間後に弓道の大会を控え、部活の方はより一層厳しい練習を強いられていた。


他の運動部も高総体以外の大会はたいてい秋に開催されるのでどこの部も遅くまで残って練習する日々。


心が折れそうにもなるけれど、私は団体戦のメンバーに選ばれたので、少しはチームに貢献したいと頑張って練習に取り組んでいた。


菊ちゃんは個人戦に出場する予定だ。


毎日帰りが遅いので、私たちはコンビニで買い食いして帰ることが多くなった。


「もう弓道場から三枝先輩が見れないから、やる気でないわ」


と、パンを頬張りながら菊ちゃんがぼやく。


三枝先輩が所属するサッカー部は夏休み明けの県大会で準決勝で敗けてしまい、全国大会に出場することなく3年生は引退してしまった。


私たちの弓道場の3年生も同様で、県大会の準々決勝で敗けてしまって個人戦も誰ひとり残ることが出来ず、3年生は全員引退した。


頼りにしていた先輩たちがいなくなると2年生の私たちが後輩を引っ張っていかねばならず、特に副部長に任命された菊ちゃんは相当なプレッシャーがあると思う。


でも菊ちゃんはそんなのはまったく表には見せずにいつも笑顔だった。


彼女の嘆きとしては、練習中に三枝先輩を見られなくなったことの方がショックが大きいらしい。