少しの間立ち尽くしていた私は、他の先生たちが来ないうちに帰らなければと玄関をあとにする。


歩きながらも、言い表せないほどの不安が全身をつきまとう。


どうして?
どうして玉木先生が勘づいているの?


本当に芦屋先生が寝言で私の名前を呼んだの?


どこからが本当でどこまでが嘘?


もし本当に玉木先生が知っていたとして、誰かに言ってしまわないだろうか。


そんなことになったら芦屋先生はどうなってしまうのだろう。


怖い。


玉木先生の存在が急に怖くなった。


もうどんなに些細な会話だとしても、芦屋先生とは話しちゃダメだ。


私はそう思いながら、暗くなったグランドを歩いた。