日曜日。


澪と遊ぶ約束をしていたので、私は出かける準備をしていた。


いつも大人っぽい澪にならって、隣にいても釣り合うように少しだけメイクをして、小綺麗なワンピースを着た。


いつか芦屋先生とのデートで着れたらいいなと思っていたワンピースは、その出番を果たすことなく終えてしまった。


先生にもらったネックレスをつけて、鏡越しに映る自分を見つめた。


目立つわけでもなく、目立たないわけでもなく。
可もなく不可もない約18年間を過ごしてきた私にとって、先生と過ごした数ヶ月が1番楽しかった気がした。


机の上に2ヶ月ほどずっと置いてあるものがある。


修学旅行で芦屋先生にあげようと思って買ってきたメガネケース。


渡さないままになってしまった。


捨てようかとも思ったけれど、それが出来なくて自分でも困り果てている。


まだどこかで先生に期待しているのかな。


素直になれるわけでもないし、本当にどっちつかずな私の気持ちだった。