あとは、もうひとつしかない。 美術室。 でも、まだ芦屋先生がいたらどうしよう。 迷いながらも、足は美術室に向かっていた。 美術室の前までやってきた私は、そっとドアを開けて中の様子を伺う。 美術部員も、芦屋先生もいなかった。 安堵しながら美術室の中へ忍び込み、自分が授業の時に座っていた席のあたりにしゃがんでストラップを探した。 どうしよう。 もしも、見つからなかったら……。 芦屋先生との思い出が全部無くなっちゃうみたいで、悲しくなった。