「私のせいなの」
澪は目を伏せて、テーブルの上で組んだ両手を見つめるように言った。
「修学旅行、ろくな思い出が残らなかったから……最後に夜景でも見たいなって透に言ったから。だから、私のせい」
「そうだったの……」
それでも、了解してくれたのは徳山先生だ。
2人で合意のもと外出してしまったのだから、どちらが悪いなんて無いはずなのに。
自分を責めている澪が苦しそうで、なんだか見ていられなかった。
「ねぇ、徳山先生とは連絡とった?」
と聞いてみると、彼女はうなずいた。
「うん。携帯返してもらってすぐに連絡した。学校辞めたよって言われた。これからしばらくは塾の講師でもやろうかな、って」
徳山先生の授業は私語も許されない、厳しいものだったけれど分かりやすかった。
それはきっとどこででもやっていける証になる。
「でもね」
ふと、澪が顔を上げた。
「もうこうなってしまったものは仕方ないって思ってる。学校でも私を退学処分にしなかったんだから、ちゃんと卒業出来るように頑張らなきゃ」
きっとこの1ヶ月間で、澪は何度も何度も、数え切れないほど自分を責めただろう。
そして、後悔しただろう。



